ウィルヘルムスは現存する世界中の国歌の中で一番古いとされるオランダ国歌。
歌詞は1570年頃。曲は以前からあったものの、記譜はやはり1570年頃。
歌詞は君が代のほうが古い、とオランダ人もよく書いています。
15番からなる歌詞(すっごく長い)のそれぞれは、WILLEM VAN NASSOVの各文字
から始まっています。今日歌われているのは、1番と6番だけ。
歌詞ができた正確な時期はわからないものの、1568年から1572年の間。
作者はマーニックス・ファンシントアレホンデと言われていましたが、コールンヘルト
だという説もあります。歌詞の成立や正本をめぐって多くの研究論文があります。
スペイン王に対する反乱を率いていたオレンジ公への賛歌で,オレンジ公自身の口
から語るような形になっています。曲は既にあったフランスの従軍歌を借りたそう。
80年戦争中さまざまな機会に歌われました。
1932年5月10日の勅令によって正式に国歌になりました。
国歌の演奏を必要とするすべての公式の席でウィルヘルムスを用いること、という
内容の勅令であるようです。
国旗とともに国歌へのオランダ人の思い入れは深いものがあり、いくつか定められた
機会以外に軽々しく歌ってはいけないことになっています。
君が代や日の丸同様、多くの人々の血と涙を見てきた国歌ですが、そうした浮沈を
超えたものが国歌にはあるようで、オランダ人が国歌を扱う様子は時に感動的です。
Willhelmus(93Byte)←ぜひ聞いてみて下さい
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